ヨークジャム感想文とアメリカンフラットシーンの現在

先日アメリカのペンシルベニア州のヨークと言う街に25周年を迎えたモダンフラットランドの基礎を作り上げたとも言われる伝説ケビンジョーンズを筆頭とする伝説のクルーPlywood hoodsの主催する伝説のヨークジャムへ行って来ました。ただでさえ、このようなジャムと呼ばれるイベントでは色々な伝説を聞く事が出来たりレジェンド(伝説)と呼ばれる人達に会う事が出来るので多少でもフラットランドの歴史に興味の有る人からすると、とても興味深いイベントなのです。普通に話しかけて来たおじさんがレジェンドと呼ばれる人だったなんて事も多々有ります。ジャム当日の僕はと言うとケビンジョーンズやアメリカの昔憧れてたライダー達と一緒に乗れると言う気持ちの高まりは有った物の数日前に負傷してしまった手が治りきっていなかったため、あまり乗らない様に心がけていました。そうすると一人のメガネのおじさんが話しかけて来ました。おいせっかく来たんだから乗れよ!的な感じでちょっと高圧的。まぁこの人もレジェンドなんだろうなと思いつつ、”手が痛いのであまり乗らない様にしているんだよ”と丁寧にお断り。そんな感じで観戦メインで楽しんで来ました。当日はあいにくの雨で臨時に秘密の地下駐車場での開催にも関わらず100人を超える大人数のライダーが参加、伝説のマークイートンがDJとして一日中音楽を流し続け、その中でとにかくハードコアに乗るって言う感じでした。



去年参加したフリースタイルの第一世代とも言われるカリフォルニアのマーティンアポリージョやエディフィオーラらが定期的に開催しているオールドスクールミーティングにも似た感じでしたが、それよりも参加年齢層が少し下がり30代後半から40代中盤のライダーがメインでそれから少しフレンドリーな雰囲気を引いてちょっとした緊張感を足してハードコアにした感じでした。

ここ数年新しい世代が出て来ないアメリカのシーンを悲観する声をよく聞きますが、自分が肌で感じている事は悲観的な事よりもポジティブな要素の方が多いと思います。確かに若い世代のライダーは少ないですがアクティブな中年ライダーが多いように見受けられます。若い頃から乗り続けて来たライダーも沢山居ますが、家庭を持ち子育て等の理由でBMXから遠ざかっていた多くのライダー達が家庭生活が落ち着きBMXに再び乗り始めシーンにカムバックしているライダーが沢山居ます。40歳を超えてから積極的にコンテストに参加し始めるライダーも少なく無く、そしてベテランクラス、アマチュアクラスを勝ち上がり40歳を超えた年齢でプロに上がるって言うライダーも居ます。そして多くのライダーが生活にも経済的にもゆとりを得て、そのゆとりの中でコンテストを主催したりブランドを立ち上げコンテストシーンでアクティブなベテランライダーをサポートしたり、シーンにアクションを起こし続けています。フリースタイルBMX発祥の地と言われるアメリカのシーンは常に各国から良き例とされ続けて来ました。そして現在のアメリカのシーンはある種の進化の形であり現在も新たな可能性、方向性を見せてくれていると思います。彼等のライディングそして現在のアメリカのシーンは加齢に対する畏怖を払拭させてくれ中年へと向かうライダー達を勇気づけてくれます。現在のアメリカのシーンを引っ張る彼等は年齢を重ね多くの人生経験を積み、色々な知識と知恵やコネクションをBMX外の世界から得ています。そしてフラットランドに対する情熱を持っています。そんな彼等が作る新しいアメリカのフラットランドシーンはとても興味深いです。

そして話はヨークジャムに戻り、僕は先ほど高圧的に出て来たメガネのおじさんに注意深く目を向けていました。彼はレジェンドのオーラと共にシンガードをまとい程よく使い込まれた味の出ているオールドBMXに跨がりライディングを始めました。しかし予想を裏切り繰り出すブーメランも不発でメガスピンのスカッフの切り返し一回でプルプルしていました。なんだただのヘタクソじゃないか。しかしこのパターンもまたアメリカではよく有る話なのです。