The white man in the amazon

シャーマンのコミュニティーにステイする為にエクアドルのジャングルの奥地を訪れた時の話し。

コミュニティーでのステイは本当に不思議な経験だった。最寄りの街からタクシーで山の奥地へ3時間そこから先は車が入れないのでアマゾンの中を歩き続ける事6時間ようやくロッジに到着。電気はもちろん水道管もなにも無いので現代の文明世界とは人工物で繋がって居ないまさに本当の自然の中の小さなビッレジ。自分が泊まった部屋は高床式の部屋で部屋の中には竹で組まれたベットと蚊除けのネット屋根と風よけ程度の竹の壁部屋の扉はもちろん無い。自分が泊まっている間は他の客は居なかったがシャーマンのおじいちゃんおばあちゃんが高齢なので最寄り診察院から健康診断に来ていたお医者さんだけがこのコミュニティーに泊まっていた。

滞在の最終日世話になったシャーマンに挨拶をするため彼を待っていた。医者が僕に話しかけて来た。僕のつたないスペイン語で理解するにシャーマンは暫く帰って来ないとの事そこでこのアマゾンをよく知る彼が僕をアマゾン内を案内してくれるとの事だった。コミュニティーから30分歩いた辺りで彼が言うこの先は長靴が無いと入れないので俺のを貸してやるからここで待っていろと。その後彼が帰ってくるとことは無かった。医者が僕の金とiPhoneを盗んで逃げたのだ。シャーマン家族に盗まれた事を伝えると大騒ぎに。とりあえず何もしない訳にはいかないのでシャーマンと警察に行くことにしかし僕のつたないスペイン語では全然伝わらないし僕も彼ら言う事が理解が出来なかった。シャーマンの知り合いに英語が話せる人が居ると言う事で助けを求めてその男が居る所へ向かった。僕が予想していたのは褐色の肌のエクアドル人しかしシャーマンのコミュニティーに居たのは白人の男性だった。僕は少しビックリした何故こんなジャングルの奥地に白人が??彼はベルギー出身で20年以上このアマゾンのコミュニティーで暮らして居ると言った。久々に英語でコミュケーションが取れたのが嬉しかったのと彼に凄く興味が有ったので半分窃盗事件なんかどうでも良くなりジャングルからの移動の間も警察の書類作りの間も僕はベルギー人の彼アンドレと話続けた。警察の手続きが終わった頃にはもう辺りが暗くなり始めていた。アンドレは無一文になった僕を数日間世話してくれる言った。元々彼は大物アメリカのバンドのツアーステージマネージャーをやっていた過去が有りプライベートでも仕事でも色々な国を旅し色々な国に子供を作りそんな生活をしていたらしい。年齢的にも60歳位なので筋金入りのヒッピーだ。そして20数年前にエクアドルに辿り着きアマゾンを訪れアマゾンに住むアボリジナルの女性に出会いその女性との間に子供をもうけ、そのままアマゾンで生活するようになったそうだ。アンドレが来た当初アマゾンの人々達は国からの教育をうけていなかった為スペイン語は当然話せなく彼らとの生活の中で民族の言葉ケチュアを学んで行ったそうだ。しかし現在は国が彼らに教育を施すようになり、ここら付近のアマゾンの子供達も学校へ行っているそうだ。そうする事によって子供達がアマゾンの外の世界を知る、外の世界ではお金が必要なので僕がお世話になっていたコミュニティーなどは最低限必要な金を稼ぐ為に僕の様な物好きな旅行者に宿として提供して収入を得ているらしいのだ。

 

アンドレの家?小屋?にお世話になってる間彼はアマゾンの事や彼自身の事等そして自分の事色々な話をする時間が沢山有った。俗世間を捨てアマゾンの奥地に住み始めた理由。現代社会に生きた白人がアマゾンの奥地でネイティブのコミュニティーに溶け込みその中で暮らして行くなんて作り話にしても振り切り過ぎて行てリアリティーに欠ける話では無いだろうか。しかし彼は実際にそうやって生きて来たんだから面白い。2015年の現在でもエクアドルの都市部を離れたとこではアジア人白人は宇宙人同然の視線そして言葉を掛けられ事も当たり前だったと言うのに。それが20数年前。アマゾンには人間が生きる為に必要なもの全てが有るだからお金なんて無くても生きて行けるとアンドレは言った。彼らの文化では全てをシェアする事が当たり前なので盗むと言う事あり得ないし起こりえない事なのだとか。もっとも僕の金を盗んだのは外部の人間だったが。思い出深いのがタバコの木を見せてくれた時。アンドレが落ち葉数枚をささっと拾い上げて細かく刻んでその場で吸わせてくれた。元々タバコ好きな事も有ってこれにはえらく感動した。そして僕はお返しにアンドレに街で買って来たパック入りのタバコを渡した。彼はもの凄く感動して一服一服を味わいながら楽しんでいた。現代社会ではすっかり悪者のタバコも所変われば清心な物であり悪魔除けや聖なる儀式等に用いられる有用な物なのだ。アンドレとの時間は盗まれた現金やiPhoneなんかじゃ比べられない程の価値の有る時間だった。自分たちが信じているお金に価値の無い世界。アマゾンから街へ戻って来た僕は不思議とお金を盗まれた怒りは無く、アンドレと引き合わせてくれたと盗人に感謝すら感じた。アンドレとの出会いと彼の生活の中に美しい旅人の行く末、終着点を見た気がした。